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第12回愛知県医療ソーシャルワーク学会を開催するにあたって

学術集会長挨拶

 

一般社団法人 名古屋市医師会 黒木信之

(愛知県医療ソーシャルワーカー協会 会長)

 第12回愛知県医療ソーシャルワーク学会を開催するにあたりまして愛知県、名古屋市、愛知県医師会、名古屋市医師会、愛知県看護協会はじめ多くの関係機関や関係者の皆さまにご後援いただきまして深く感謝申し上げます。

今学会のテーマは、「共につくる幸せな社会」です。最近の新聞等の報道では、格差社会や貧困な子ども、下流老人等の言葉が溢れています。経済格差が、年々拡大しています。貧困からの脱却は、資本主義社会における宿命でもあります。豊かな社会を築くことが求められています。

 記念講演は、千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部教授の近藤克則先生をお招きいたしました。先生は、名古屋市等の多くの都市で住民参加型の地域づくりの研修を行われています。健康なまちづくりは、データによる地域診断に基づいて取り組まれています。先生は、経験主義に頼らず社会科学に基づいた取り組みで成果を上げようとされています。ご講演のテーマは、「ソーシャルキャピタルと医療ソーシャルワーカーへの期待」です。

 さて、経済財政運営と改革の基本方針2015骨太方針により、今年度の診療報酬改定は、社会保障予算削減計画によりマイナス改定1.44%で、1,700億円削減されました。まさに2025年に向けて医療と介護の連携による地域包括ケアシステムの推進を図っています。昨年から、地域医療構想により医療・介護提供体制の再編が行われています。これからの医療は、入院から在宅へ、施設から地域へ、医療から介護への転換です。現在、7対1看護体制の病床が、約38万床あり厚労省は、9万床削減の方針を出しています。急性期病院は、退院支援の診療報酬算定のために、より在院日数を短縮しようとしています。診療報酬改定は、退院を促進するために退院支援・地域連携業務専従看護師又は社会福祉士の資格を持つ者を病棟専任配置しました。医療の現場では、医療機能分化が急激に進められています。退院支援は、病院やクリニックにとって大きな課題です。行政、医療関係者、国民から医療ソーシャルワーカーに対する期待も高まってきています。関係者の皆さまの益々のご支援をお願いいたします。

運営委員長挨拶

 

国家公務員共済組合連合会 名城病院 小林 哲朗

(愛知県医療ソーシャルワーカー協会副会長)

 愛知県医療ソーシャルワーク学会は、2006年1月21日に第1回学会を開催し、今年で12回目を迎えました。多くの方々のご支援やご協力のおかげで12回目の学会を迎えることができましたことを、この場を借りてお礼申し上げるとともに、運営委員を代表してご挨拶させていただきます。

 今回のテーマは、「共につくる幸せな社会~地域における医療ソーシャルワーク再考~」です。地域包括ケアシステムは医療と介護の一体的な提供を構築し、地域医療構想が医療機関の病床を機能分化させる中で、そこに住む人、つまり当事者の考えや視点を明らかにすることがさらに必要になっていると思います。それぞれの地域ごとに、医療・介護の連携と提供するサービス等の多様なモデルが提示されつつありますが、その中で当事者の生活と幸せを考えるためには、私たち医療ソーシャルワーカーも今一度原点に返り、生活者としての視点と、その中での支援・援助を考え、実行に移すことが求められていると言っては過言でしょうか。会員のみなさんが、日ごろの業務を振り返り、このテーマを意識していただく学会となれば幸いです。

 基調講演は、千葉大学予防医学センター教授の近藤克則先生にお願いしました。近藤先生はご存知の方も多いと思いますが、日本福祉大学や国立長寿医療研究センターでの研究と教育のお仕事もあり、大変お忙しい中、当協会の学会にようやくお招きすることができました。健康格差社会や介護予防における地域診断等、私たちも大いに関心を持っていることを研究され、今回は「ソーシャルキャピタルと医療ソーシャルワーカーへの期待」というテーマでお話をいただきます。ぜひ皆さんで先生のご講演を拝聴したいと思います。

分科会では、トピックスが続いている退院支援における様々な取り組みや成年後見や身元保証の問題、看取りなど日頃の実践と研究についての報告を聞くことができます。分科会で発表をする会員は大学病院や急性期病院、リハビリテーション病院、老健、在宅など様々な領域からの演題がそろいました。ぜひ、関心がある発表を聞いていただき、活発な意見交換をしていただくとともに、今とこれからの業務に生かしていただきたいと思います。

 また、今年は第1回の学会で行った情報交換ブースを復活し、企業出展と資料の展示を行います。昨年も初めてポスター発表の場を設け、協会が主催している研修や愛知県児童虐待対応医療機関連絡会の取り組み、設立総会や記念講演、発足式の来賓の方々やいただいたご祝辞もご紹介させていただき、会員の皆さんが自由に話ができる場を提供させていただきました。日ごろ忙しくてなかなか会えない会員同士が自由に話ができる空間を今年もご用意しました。感情認識パーソナルロボット(○ッ○ーくん)も登場予定です。どうぞお楽しみに!

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