学会長挨拶
日本赤十字社 名古屋第二赤十字病院 黒木信之
(愛知県医療ソーシャルワーカー協会会長)
第10回愛知県医療ソーシャルワーク学会を開催するにあたりまして、学会長として一言ご挨拶申し上げます。愛知県、名古屋市、愛知県医師会、名古屋市医師会、愛知県病院協会、社会福祉関係団体、社会福祉系大学等多くの関係機関のご後援に厚く御礼申し上げます。今学会のテーマは、「かさなり~学会10年、到達点と原点~」です。記念講演は、独立行政法人国立長寿医療研究センター長寿医療研修センター長の遠藤英俊先生に「介護保険制度改正と医療ソーシャルワーカーに期待すること」のテーマでご講演をいただきます。遠藤先生は、長きに渡り老年医学を深められ認知症の研究をされてきました。また、介護保険の創設に取り組まれて、著書に『新・介護保険認定審査会ハンドブック』があります。さらに介護保険の地域包括ケアについても取り組んでおられ、来年度、改正が予定されております介護保険に対する示唆がいただけると思います。
さて、平成25年度から愛知県でも高齢者が住み慣れた地域で生活支援を受けながら最後まで生活できるようにと医療と介護の連携による在宅医療連携推進事業が始まりました。愛知県下12カ所の市町村でモデル事業が始まりました。これから、行政、医師会、医療関係職種、ケアマネジャー、MSW等の多職種が協働して在宅医療支援体制の構築を図ることが求められています。医療の機能分化の強化は、病院から地域である在宅を推進して行くことであります。愛知県や愛知県医師会、名古屋市、名古屋市医師会と共に当協会も在宅医療連携推進事業へ協力していく所存です。在宅医療連携推進事業は、医師だけでなく多くの多職種の連携を目指しています。MSWが、地域に出て多くの関係機関や関係職種と連携を図る時代です。MSWが積み上げてきた知識や技術を提案することが地域から求められています。会員は、各地域で企画される市町村と医師会の事業に積極的に参加していただきたい。これからの皆さまのご活躍と学会のますますの発展をお祈りいたしまして挨拶に代えさせていただきます。
運営委員長挨拶
国家公務員共済組合連合会 名城病院 小林哲朗
(愛知県医療ソーシャルワーカー協会副会長)
愛知県医療ソーシャルワーク学会は、2006年1月21日に第1回学会を開催し、今年10回目を迎えました。10年という節目に運営委員長をさせていただき、運営委員そして会員のみなさんとともにこの日を迎えることができたことを大変嬉しく思います。また、10年一昔と言われますが、この間に学会の運営に携わっていただいた会員のみなさまと分科会等で発表していただいた方々、そしてご協賛いただいた事業所様に、この場を借りてお礼申し上げます。
今回のテーマは、「かさなり~学会10年、到達点と原点~」です。このテーマには、会員が学会とともに歩んだ10年という意味があるのですが、「いろんな人が重なって生み出されるもの」、「月日を重ねてわかること」、「積み重ねた援助経験の到達点」、「MSWの行う援助の重みと価値の原点」という深い意味も込められています。日夜頑張っておられる会員のみなさんが、この機に立ち止まり、普段の業務を振り返り、そして明日に向かってさらに良い援助を続けていただく機会の一つになれば幸いです。
記念講演は、高齢者への包括的・全人的医療、認知症の研究の第一人者でおられ、「優しい医療」でも有名な、国立長寿医療研究センターの遠藤英俊先生にお願いしました。各地で地域包括ケアシステム構築の話題が大きくなっていますが、介護保険制度との関連においても、我々医療ソーシャルワーカーが期待されている役割を再度見直し、確認する良い機会をいただくことになると思います。
また、分科会では「連携・システム作り」、「社会資源・業務分析」、「権利擁護・退院/在宅支援」、「新人・研修」の4つのテーマに23名の会員から日頃の実践と研究についての報告を聞くことができます。発表される会員は若い方から中堅の方まで年齢層も幅広く、内容も多岐にわたり、ブロックでの取り組みやこれまでに無いユニークな内容もあり、10年目の学会に相応しい演題がそろいました。ぜひ、関心がある発表を聞いていただき、活発な意見交換をしていただきながら、参加されたみなさんが何かを発見し、何かに気づき、そしてさらに良い相談援助業務に生かしていただけるものと確信しております。
第1回目の学会のテーマは、「医療ソーシャルワークの現状と課題 HASSIN!! あいち」でした。ずいぶん前に「HASSIN=発信、発進」した私自身も、この機に立ち止まり、振り返り、そして心新たにして業務に携わる機会にしたいと考えています。これからの学会のさらなる発展を願い、運営委員を代表して、挨拶とさせていただきます。