学術集会長挨拶
名古屋市医師会 黒木信之
(愛知県医療ソーシャルワーカー協会会長)
第11回愛知県医療ソーシャルワーク学会を開催するにあたりまして愛知県、名古屋市、愛知県医師会、名古屋市医師会、愛知県看護協会はじめ多くの関係機関や関係者の皆さまにご後援いただきまして深く感謝申し上げます。
昨年の5月に当協会は、任意団体から一般社団法人になりまして初の学会になります。昨年度、学会は、10年目を迎え今年度は、新たな学会の出発になります。
記念講演は、第一回の当学会でご講演いただきました日本社会事業大学の元学長の京極高宣先生をお招きいたしました。先生は、現在、高齢者施設のモデル施設である浴風会の理事長です。ご講演のテーマは、「地域包括システムにおける医療ソーシャルワーカーの役割」です。まさに今、医療ソーシャルワーカーが取り組むべき課題です。
さて、国は、病院完結型の医療から地域完結型の医療へ転換を推進しています。2011(平成23)年、厚労省は、全国で在宅医療連携拠点事業のモデル事業を始めました。京極先生は、団塊の世代がピークに達する2025年に向けて始まった地域包括システムへ様々な提言をされております。病院は、これから、病床削減により、入院による高齢者の看取りが困難になってきます。2015(平成27)年から愛知県医師会は、在宅医療を推進するために県下の医師会に在宅医療サポートセンターを設置しました。また名古屋市医師会は、同年10月から8区で在宅医療・介護連携支援センターを設置しました。今年の4月からは全区に設置予定です。まさにこれから、超高齢化社会に対して準備をする大事な時代になってきました。医療の現場では、医療と介護の連携の構築が、大きな課題です。その構築には、行政、医療関係者、国民からMSWに対する期待が高まってきております。多くのMSWは、現場の実践を発表することでソーシャルワークのレベルを上げていくことが求められています。関係者の皆さまの益々ご支援をお願いいたしまして挨拶に代えさせていただきます。
運営委員長挨拶
国家公務員共済組合連合会 名城病院 小林哲朗
(愛知県医療ソーシャルワーカー協会副会長)
愛知県医療ソーシャルワーク学会は、2006年1月21日に第1回学会を開催し、今回11回目を迎えました。当協会が本年度一般社団法人になってから初めての学会となり、様々な方々のご支援やご協力をいただき今日を迎えました。この場を借りてお礼申し上げるとともに、運営委員を代表してご挨拶させていただきます。
今回のテーマは、「望む場所で ~”Hope town” を Home town に ~」です。特に高齢者の医療と介護に関しては、地域包括ケアシステムの構築が重要な課題となっておりますが、住み慣れた地域で最後まで暮らすことができる取り組みが、我々医療ソーシャルワーカーにも求められています。「望む場所で」は、まさにこの地域包括ケアシステム構築にふさわしいテーマといえます。会員のみなさまが、日ごろの業務を振り返り、このテーマを意識していただく学会となれば幸いです。
記念講演は、国立社会保障・人口問題研究所名誉所長でもあります、京極髙宣氏にお願いしました。ご存知の方も多いと思いますが、第1回愛知県医療ソーシャルワーク学会の記念講演をしていただいた先生でもあります。大変懐かしく当時のことを思い出す方も多いと思います。地域包括ケアシステム構築の話題がさらに大きくなっている中で、我々医療ソーシャルワーカーが期待されている役割を確認する大変良い機会をいただくことになると思います。
分科会では、退院支援における様々な取り組みや身元保証人の問題、終末期ケアなど日頃の実践と研究についての報告を聞くことができます。分科会で発表をする会員は1年目のMSWからベテランの方まで幅広く、また急性期病院から回復期リハビリテーション病院、老健、在宅など様々な領域からの演題がそろいました。ぜひ、関心がある発表を聞いていただき、活発な意見交換をしてください。今とこれからの医療ソーシャルワークに生かしていただけるものと確信しております。
また、今回の学会で初めてポスター発表の場を設け、協会でのいくつかの取り組みを発表したいと思います。具体的には、協会が主催している研修や、愛知県児童虐待対応医療機関連絡会の取り組みなどを準備しています。そして設立総会や記念講演、発足式での来賓の方々からただいたご祝辞もご紹介させていただく予定です。さらに現在、来年3月を目標に協会のホームページについて全面リニューアルの準備を進めております。会場では新ホームページについてモニターにデモ表示して、新機能の紹介とともにリリース前にいち早くみなさまにご紹介させていただきます。